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所長の調書 

■20××年に死亡した元ネット探偵のHyper Matrix。または、存在が科学的に証明された唯一の幽霊。住所不定。無職。氏名、死亡年齢非公開。 生前の職業は、デジタル世界における犯罪捜査、依頼にもとづく情報収集などを業務とするネット探偵だった。しかし犯罪にも手を染めていたらしく、正義漢ではなかったらしい。無類の女好きで相当なサディストだったとも言われる。死因は不明だが、麻宮イズミと関係があるらしい。
■「よし完璧だ」が口癖で「俺は肉体がないからナニはできないけど、あとは何でもできる万能の神だぞ」と豪語し、人をすぐバカにする。彼にとってはどのようなセキュリティも無いに等しく、世界中のシステムにたやすく侵入し、やりたいほうだいである。
■後述のように、所長が自らのプログラムの一部を開示したことにより、意識投影体のプログラム化技術がもたらされた。なぜ、ワルだった彼がそのような科学的、社会的貢献をしたかについてはいくつかの憶測が囁かれている。プログラム開示の見返りに、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の倫理規定緩和を承諾させたというのが有力。その結果、新しい肉体が彼に提供されたという情報もあるが未確認である。また「奴のすることだから、絶対女がらみだ」という説も捨てがたい。
■普段はネット上に存在して姿を現さないが、時折、球体のマトリクス・コアに上層意識だけを搭載し、透明な外殻とリングを超振動させて浮遊する土星のような姿で現れる。人体にプラグインして意識を操作する能力もあるらしい。